当店のウールコート製品修理依頼ランキングを紹介します。
第一位 虫食い
【状態と理由】文字通り虫に食われ穴が開いてしまった状態、生地が薄くなった状態です。ウールコートは天然素材であるためとても虫食いになりやすいアイテムです。洋服を食べる虫はいろいろな種類がいますが、この季節に一番数が多いのはヒメマルカツオブシムシで、4~5月頃に大発生します。起毛部分から、衣服の繊維が薄くなるように広範囲に食べるのが特徴です。
【対処法】着用後はブラシをかけ、風を通し湿気を飛ばしましょう。クローゼットの中は余裕を持たせて保管し、定期的に扉を開けて乾燥を。虫のエサとなるホコリや汚れを掃除しましょう。害虫の被害は早期発見が鍵。着用頻度が低いコートも時々クローゼットから出し、全体の状態を確認しましょう。せっかくクリーニングに出しても他の衣類から虫が移ってくる危険があるため、大事な1着は防虫袋がお勧めです!またクローゼットや収納ケースにも防虫剤も忘れずに。小さな虫食いなら、自分で繕うことも可能ですが、大きなダメージや複雑なキズの場合は専門家に依頼するのがベストです。
第二位 擦れキズ
【状態と理由】摩擦、圧力、化学的ダメージにより、繊維が擦れて薄くなったり、キズがついてしまった状態です。毎日同じ鞄を同じ向きにかける。電車や車に長時間座る。クローゼットに詰め込んで収納する。香水を直接かける。汗をかいたまますぐ保管する等、繊維が弱る原因は様々です。いつものコートにいつもの鞄の日常が意外に洋服には負担がかかっています。
【対処法】同じ箇所に毎日負担がかからないようコートや鞄をローテーションするのが一番ですが、連日着用するときはポケットパンパンにしない、左右で鞄のかけ方を変えるなどの工夫で少しでも負担を減らしましょう。
着用後は幅広ハンガー使って、詰め込まずゆったりと保管しましょう。保護カバーも役立ちます。それでも深いキズや広範囲のダメージが出来てしまったら、修理を考えてみましょう。かけつぎや丈詰めで見違えるようになるかも!
第三位 裂け
【状態と理由】何かに引っ掛けて、布地が破れてしまった状態。一番外側に着る服なので、鞄や時計など身に着けるもの以外にもドアや壁、自転車など思いもよらない場所で知らない間にキズになっていることがあります。また、スマホや財布を日常的に入れたりすることにより、ポケット周りが弱くなって裂けてしまうこともあります。
【対処法】気を付けることが難しい事例ではありますが、ザラザラした素材や引っ掛けそうな金具を使用している鞄、自転車などには気を付けましょう。ポケットには物を入れすぎないように。それでも穴が開いてしまった場合、更に大きくなる前に専門店に持って行きましょう。
第四位 焦げ穴
【状態と理由】タバコや線香など、火による焦げ穴があいてしまった状態です。最近は喫煙所が屋外にある場所も増え、寒い時期はコートを着たままタバコを吸うことも多くなっています。他にもアウトドアの焚火やバーベキューなど火にあたるシーンは意外とあります。
【対処法】直接の火以外にも、灰など燃えカスがつかないよう気をつけましょう。自分で穴を塞ぐのは難しいので専門店に相談するのがベスト。焦げ色が目立っていたり、穴が開いている場合はいつでもご相談ください!
●ウールコートを日常的にケアしましょう
- ブラッシング::ウールコートは、着用後のブラッシングで表面の汚れや埃を取り除くと良いでしょう。天然の動物毛のブラシは静電気が起きにくく、素材が傷みにくいのが特徴です。ブラッシングの際は繊維の流れに沿って、上から下へ優しくブラッシングすることにより、綺麗に整えられます。
- 虫干し: 定期的にコートを干して風通しを良くすることで、良い状態を保つことができます。取り込む際はブラッシングを忘れずに。
- 保管&ローテーション:いくつかのコートをローテーションさせて休ませましょう。保管は幅の広いハンガーを使用し、擦れないよう収納量に余裕を持たせて。カバーを利用することもおすすめです。
いかがでしたか?そろそろウールコートも来年に向けお手入れをしてしまう時期になりました。着やすいウールコートは毎日着てしまいがちですが、その分トラブルも増えてしまいます。ウールコートのキズは比較的綺麗に修復できることが多いです。キズが大きくなる前にプロにご相談ください!
今回は全て当店に修復依頼をいただいた事例をご紹介しました。皆様のお気に入りのコートが少しでも長く着られますように・・・。