当店のニット製品修理依頼ランキングを紹介します。
第一位 虫食い
【状態と理由】文字通り虫に食われ穴が開いてしまった状態、生地が薄くなった状態です。ニット製品はウールやカシミヤなど服を食べる虫が大好きな天然素材が多くあり、また肌に直接接することも多い製品であるため汗や皮脂がつきやすいことも虫に食われやすい原因です。
【対処法】着用後はニット専用ブラシをかけ、肩の部分に厚みのあるハンガーに一時的に吊るし、湿気を飛ばし数時間休ませてから、たたんでタンスなどに片付けます。少しのシミや汚れは固く絞ったタオルで早めに拭き取りましょう。家庭で洗えない製品はクリーニングをお勧めします。
第二位 襟ほつれ
【状態と理由】襟部分の糸が一部ほつれてしまった状態です。着用する際引っ張ったりなど、接合部分に過度な力がかかることで発生します。襟のほつれが多いですが、袖口、裾など、着用時に力がかかる部分に多いトラブルです。
【対処法】着用する際は襟や袖を伸ばさないように着ましょう。お気に入りでも毎日着るのではなく、服を休めることも重要です。そしてホツレを見つけたら早めに対処を!穴はどんどん広がっていきます。
第三位 糸引き
【状態と理由】何かに引っ掛けて、一部の糸がつってしまった状態です。ニットは糸で編んであるため引っかけやすい特徴の製品でもあります。鞄の素材や金具などの影響で知らない間にできている事が多く、広範囲にわたるものもあります。
【対処法】気を付けることが難しい事例ではありますが、ザラザラした素材の鞄や、引っ掛かりそうな文房具、封筒の角などには注意しましょう。トラブルの箇所が目立ちやすい糸引きですが、綺麗に治るものも多いので、諦めずご相談ください!
第四位 目落ち
【状態と理由】編んである糸のループがはずれて穴ができている状態。放っておくと、伝線してほつれが大きくなってしまいます。何かに引っ掛けたり、着用時に引っ張ったり、最初小さいほつれだと思っていたのに知らぬ間に大きくなって目立ってしまっている・・・なんてことが多いトラブルです。
【対処法】ほつれを見つけたらとにかく小さいうちに補修しましょう。編み物が得意な人は自分で修理も可能かもしれませんが、糸が細い製品、編み目が細かい、柄があるなど、専門店にお任せした方がよい製品も多くあります。穴が大きくなる前にまずはプロにご相談を。
第五位 擦れ
【状態と理由】肌や、外部との過度な接触や刺激により布地が擦れて薄くなったり、穴が開いてしまった状態。ウール素材など脇のフエルト化現象を起こしやすいものもあります。
【対処法】いくつかの服をローテーションし、生地を休めることが重要です。薄い素材のニットを着用するときは同じ場所に力がかからないように肘をつかないようにしたり、鞄のかけ方を変えるなど工夫しましょう。ニットを自宅で洗濯する場合は、洗濯ネットを使用してください。おしゃれ着洗剤はシリコンや柔軟成分が入っており、繊維をコーティングしながら洗えるのが特徴で、服に対するダメージを最小限にできます。
第六位 焦げ穴
【状態と理由】タバコ、線香、料理の際など、火による焦げ穴があいてしまった状態です。
【対処法】日常で火を使うシーンは意外にあります。料理の際はエプロンなどはもちろん割烹着のような全体を覆うものがお勧めです。タバコや線香などは灰など燃えカスがつかないよう気をつけましょう。焦げによる穴は自分で塞ぐのは難しいので専門店に相談を。
いかがでしたか?ニット製品ならではのトラブルも意外とあることがわかります。ニット製品は、四季を通じて着る機会の多いものです。最近は肌に直接着ても触れてもチクチクしないお洒落で着心地のよい製品も増えました。着心地がいいものはヘビロテしてしまいがちですが、それに伴ってトラブルも増えてしまいます。ニット製品は比較的綺麗に修復できるものが多いです。小さな穴やほつれに気がついたら早めにご相談を!
今回は全て当店に修復依頼をいただいた事例をご紹介しました。皆様のお気に入りのニットが少しでも長く着られますように・・・。