お気に入りのセーターを取り出したら、ぽっかりと穴が…。そんな経験はありませんか?
特に秋冬に活躍したニット類を春先に収納しようとしたとき、**「虫食い被害」**に気づく方がとても多くいらっしゃいます。
私たち紬かけつぎ店では、毎年たくさんのセーターやニットの虫食いトラブルに関するご相談をいただいています。
今回は、虫に食われやすいニットの特徴から、実際の修理事例、そして虫食いを防ぐ保管方法まで、専門店の目線でわかりやすくご紹介します。

虫食いされやすいニットの特徴とは?
虫にとって魅力的なのは、天然で“高級な素材”が多いです。これらの動物性繊維はたんぱく質を含み、虫の栄養源となるため、特に被害を受けやすいです。
✅ 特に虫に好まれる素材
- ウール(羊毛)
- カシミヤ
- アンゴラ
- アルパカ
- シルク混ニット
✅ 虫を呼び寄せやすい条件
- 着用後、洗わずにそのまま収納
- 食べこぼしや皮脂の汚れがついている
- 湿気が多く、防虫対策をしていないクローゼット
どれか1つでも当てはまると、虫にとって住みやすく、食べやすい環境になってしまいます。
虫食い穴は直せる?かけつぎ修理のご紹介
虫食いでできた小さな穴でも、**熟練の手作業「かけつぎ」**で元の状態に近づけることができます。
◆事例①|ウール柄セーター 首元に2か所の虫食い穴
参考価格 11,000円(税込)


修理方法:
糸を製品の見えない場所から採取して織り込みます。
修理後はどこに穴があったのかわからないような綺麗な仕上がりになりました。
◆事例②|カシミアニット 身頃に複数の虫食い穴(淡い色)
参考価格 15,400円(税込)


修復箇所は糸が2重になり透け感が少なくなることから、修復跡は色違いのような目立ちが出ています。同じように編んでいくため他の修理方法と比べると綺麗に仕上がりますが、生地によっては跡残りが出ますことをご了承ください。
◆事例③|カシミアニット 袖口(リブ編み)
参考価格 8,250円(税込)


仕上がり具合に関しては作業前の段階である程度の判断ができますので、ご安心くださいませ。
虫食いを防ぐ!シーズンオフ前の正しい保管方法
虫食いトラブルを防ぐためには、**「収納前のひと手間」と「適切な保管環境」**が重要です。
✅ 着たあとはブラッシング&陰干し
- 汗やほこりを落とすことで虫の好む要素を減らせます
- 一晩干すだけで湿気対策にも
✅ クリーニング or 洗濯してからしまう
- 食べこぼしや皮脂汚れは虫の大好物
- 一度だけ着たニットでも、収納前には洗いましょう
✅ 防虫剤+乾燥剤を併用
- 防虫剤は“気化タイプ”が効果的。密閉空間で使いましょう
- 併せて乾燥剤を入れることで、湿気によるカビも防止
✅ 時々、空気を入れ替える
- クローゼットを数か月に一度開けて風通しをよくするだけでも予防効果あり
まとめ|虫食いに気づいたら、まずはご相談を
セーターやニットの虫食いは、見た目にショックなだけでなく、そのまま放置すると穴が広がる原因にもなります。
**「お気に入りだから捨てたくない」「どうにか着られるようにしたい」**というお気持ちに、私たちは全力でお応えします。