
秋冬になると着たくなる「ネルシャツ」。
柔らかく暖かい着心地が魅力で、古着好きからアウトドア好き、ファッション好きまで幅広く愛されている定番アイテムです。
特に近年はヴィンテージブームの影響もあり、昔のネルシャツを大切に着続けたいというご相談も増えてきました。
今回は、そんなネルシャツについてのお話です
ネルシャツとは?
ネルシャツの「ネル」は、“フランネル(Flannel)”という生地名が由来です。
フランネルとは、表面を少し起毛させた柔らかい織物のことで、保温性が高く秋冬に適した素材として知られています。
もともとは17世紀頃のWalesで作られた毛織物が始まりとされており、その後ワークウェアとして世界中へ広がっていきました。現在では、コットンネル、ウールネル、ヘビーネル などさまざまな種類があります。

ネルシャツの代表的な種類
① チェックネルシャツ
もっとも定番なのがチェック柄のネルシャツです。赤×黒のバッファローチェックは特に有名で、アウトドアやアメカジスタイルの定番として親しまれています。

古着市場でも以下のようなブランドのヴィンテージネルは高い人気があります。
- Pendleton ヴィンテージネルを語る上で欠かせないブランド。ウールシャツで有名で、美しいチェック柄と高品質な生地が特徴です。古い年代のボードシャツは特に人気があります。
- BIG MAC ワーク系ヴィンテージの代表格。古着好きから高い人気があります。
- FIVE BROTHER 古着屋でもよく見かける定番ブランド。アメリカらしいチェック柄と、ラフな雰囲気が魅力です。
大きい虫食い穴


比較的大きい穴でしたが、糸が太めであったこと、目立ちにくい生地であったことから布ではなく製品の縫い代から抜きとった糸で1本1本織り込んで修復しています。若干の織り目の歪みは出ていますが、色褪せも少なかったことから比較的綺麗に仕上がりました。
② 無地ネルシャツ
チェック柄ほど主張が強くなく、シンプルに着られるのが無地ネル。近年はミニマルファッションとの相性も良く、ベージュ グレー オリーブ ブラック など落ち着いた色味が人気です。
ひっかき傷


跡が目立ちやすい生地だったため、製品から抜き取った糸を使い、最小限で修復しました。
多少の織り目の歪みや色の違いは出ていますが、製品と同じ糸を使用しているため、比較的違和感なく仕上げることができました。
③ ヘビーネルシャツ
通常より厚手で、防寒性を高めたネルシャツです。厚みがあり丈夫でジャケット感覚で羽織れるため、バイクやキャンプ、アウトドアなど、屋外でも使いやすい服でもあります。
虫食い穴


修復方法: 糸が比較的太く、欠損も少なかったことから製品から抜き取った糸で織り込んで修復しています。多少の織り目の歪みにより、多少色違いが出ていますが、そこまで目立たずに仕上げることができました。生地感やキズの大きさによって最善の方法を検討いたします。
④ ウールネルシャツ
ウール混のネルシャツは保温性が非常に高く、クラシックな雰囲気があります
AURALEE(オーラリー) 虫食い穴


比較的糸の欠損が多かったため製品の表から見えないところより取った布を使い、織り目に沿って四角に修復しています。チェック柄の生地は跡が目立ちにくく、比較的綺麗に仕上がることが多いです。布を取る場所によって、当て布などの修理が必要になる場合があります(当て布が必要な場合は事前にお伝えしますので、ご安心ください)。
生地の薄化・裂け(ヴィンテージ品は全体が弱くなっている場合も多く、注意が必要です)
ヴィンテージネルシャツは修理して着る時代へ
近年は、「同じものがもう手に入らない」という理由から、ヴィンテージネルシャツの修理依頼も増えています。
特に古いネルシャツは、「深みのある赤」「フェードしたネイビー」「くすんだグリーン」 など、独特の色合いがあります。また色合いだけでなく、「現代にはない配色」「独特の生地感」「経年変化」なども魅力です。
そのため、「多少のダメージは気にしない」「多少修理跡が残っても着続けたい」「修理やキズも楽しんで」という方も多くいらっしゃいます。
まとめ|ネルシャツは“育てて着よう! トラブルの際はかけつぎ修理へ!
紬かけつぎ店では、ネルシャツ・ヴィンテージネルシャツの修理も承ります。気になるキズがありましたらいつでもご相談ください。
特にヴィンテージネルは生地全体が弱くなっていることも多いため、状態を確認しながら最適な方法をご提案しています。お気に入りのネルシャツに穴や破れができてしまった際は、早めの対処が肝心です。お気軽にご相談ください。



