皆様、新年明けましておめでとうございます。
当店は少し長めに4日までお休みをいただいておりましたが、本日から通常通り営業しております。
今年も皆様の大切なお洋服を直すお手伝いができるよう、気を引き締めて参りたいと思います。よろしくお願いいたします。
さて1月と言えば、「成人式」がありますね!
新たな門出を祝う、素晴らしい日です。
成人を迎える皆様、そして周りの私たちにとっても嬉しい一日です。
街で新しいスーツに身を包んだ若者や、華やかな着物を着た姿を見かけると、こちらまで笑顔になってしまいますよね。
最近では男女関わらずスーツを着用する方も多く、特別なお洋服に身を包んだ姿はとても素敵です。
着物はレンタルが主流になっていますが、最近では「ママ振り」と言って、お母様やお祖母様、親戚の方の振袖を借りて着る方も多いのだとか。
当店職人の私も、成人式の際は母の振袖を着用しました。
成人式前に虫食いトラブル!?
当店でも毎年、成人式前にご相談に来るお客様がいらっしゃいます。
「昔作ったオーダースーツを子供の成人式着られるようサイズ直ししようと思ったが、虫食いがあった。」
「自分が着た振袖を娘も着たいと言ってくれたが、穴が空いていた。」
「大学の入学式以来着ていなかったスーツを出していたら、キズが見つかった。」
など、お困りごとはそれぞれです。
今回はそんなハレの日のスーツやお着物の修復事例を紹介したいと思います。
成人式のためのかけつぎ事例
- スーツのかけつぎ事例
こちらは、裂けキズに共布を四角くはめ込んで修復しています。
フォーマルなお洋服は着用頻度が少なく色褪せがなければ、綺麗に仕上がることが多いです。
購入した時についてくる共布やボタンは無くさずにとっておきましょう。スーツをたくさん持っているという方は、一緒にスーツの特徴も書いて置くと良いでしょう。(どれがどの共布かわからない!ということを防ぐためです。)
数回しか着る機会のないスーツであっても、着用後の保管方法によっては虫食いの被害にあうこともあります。完全に防ぐことは難しいですが、クリーニング後はビニール袋から出して不織布のカバーに入れ、防虫剤や除湿剤を利用してクローゼットにしまいましょう。
特に大切なお洋服には、防虫機能付きの洋服カバーがおすすめです。
- ネクタイのかけつぎ事例
スーツを着るときには欠かせない、ネクタイのかけつぎ事例です。
こちらは油性ペンでシミを作ってしまった部分に、糸を一本ずつ織り込んで修復しています。製品の見えない部分から糸が取れたため、綺麗に仕上がっています。
ネクタイは人の目につきやすい目立つものなので、小さなキズでも気になってしまいます。スーツを確認する際に一緒にキズや汚れがないか確認しましょう。
- 着物のかけつぎ事例(四角くはめ込み)
スーツと同じく、四角くはめ込む方法で修復しています。着物は袖の底の内側など、縫い代が多く取られていることが多いので、そこから布を取っています。
- 着物のかけつぎ事例(織り込み+染色)
グラデーションのある生地では四角く布をはめ込むとどうしても目立ってしまうため、白い絹糸を一本ずつ織り込んだ後、そこだけ染めて修復しています。
柄や色によっては着物から生地が取れない場合もございますが、最善の方法を提案させていただきます。
また、秋から冬にかけてはかけつぎの依頼が集中します。
成人式など着用の予定があるお客様にはできる限り対応しておりますが、早めのご相談がおすすめです!
着物の虫食い被害を防ぐポイント
何年も着ていなかった着物は虫食いが多いため、虫干しも兼ねて早めにチェックしましょう。
虫干しは1年に3回程度すると良いとされています。
タイミングは2月・8月・10月頃の晴れ間が続いた時に行います。
来年の成人式に着用の予定があるという方は、今年の2月・8月の虫干しの際に穴や汚れがないか確認しましょう。
同時に古いタトウ紙は交換すると良いかもしれません。
タトウ紙とは、着物を包んでいる紙のこと。埃や汚れから着物を守ることはもちろん、余分な湿気を吸い込んで着物をカビや虫から守ってくれます。
古いタトウ紙では、吸湿性が落ちて十分な効果が期待できませんので変色したものやシミがあるものは早めに交換しましょう。
大切な成人式の日に気持ち良くハレの衣装を着られるように、早めに準備をしておきましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
スーツや振袖、もちろん振袖以外の着物でもかけつぎでの修理が可能です。
着物やオーダースーツは世代を超えて長く着用できる特別なもの。ちょっとしたキズや穴で諦めてしまわないで、ぜひ直しながら渡し継いでいただきたいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
成人式前のご相談はもちろん、着用後のトラブルも気軽にご相談ください。