お気に入りの服に穴があいてしまったり、裂け目ができたとき、どう対処するか迷うことがありませんか?服の破れや擦れなどを補修する方法は様々なものがありますが、衣類の種類やキズの大きさ、場所などにより適したものを選ぶことが大切です。せっかく補修しても目立ってしまうことも多いため、補修後に当店に持ち込まれることも多くあります。今日は、いくつかの一般的な補修方法で直した服を、当店のかけつぎで再加工した事例を紹介します。
1. 縫い付け
【手縫い】 手縫いは、小さな穴や裂け目を補修するのに最適な方法です。縫い糸と針を使って縫い合わせたり、同じ布を張り付けたり、安価に手軽に自由に補修ができるのが利点ですが、修復の仕方や技術で仕上がりにバラツキが出てしまうのが手縫いの弱点です。針をいれていく位置によってかえって穴を広げてしまう可能性があるので、注意しましょう。


ポケットの裏側から布を取って修復しています。ポケット裏側には布を取った後当て布(2,200円)を当てています。薄手の生地でしたが、柄の切り替わりの部分で四角に修復することで比較的綺麗に仕上がりました。
【ミシン縫い】 ミシンたたきなど、ミシンを使って縫う方法は、より大きな裂け目や強度が必要な部分の補修に適しています。町の洋服お直し屋さんでも安価でできることが多い方法です。ただ、広範囲に縫うことが多く、生地や職人さんの腕によって仕上がりが目立つことが多いため、目につかない場所や、仕上がりが目立ちにくい生地での補修がお勧めです。


大きい残布があったため残布を使って修復しています。グレーの生地は比較的綺麗に仕上がることが多く、このように大きい損傷でも比較的綺麗に仕上げることが出来ました。


縫ってあるところを手作業でほどいてから再加工しています。ミシンたたきの場合、ほどくと下の生地がボロボロになっており、大きく修復しないといけない場合が多々あります。結果的にはかけつぎで最初に依頼した方が小さく修復できて、費用も抑えられるのでキズを見つけたらまずはお気軽にご相談くださいませ。
3. 縫い合わせ
かがり縫い・ラダーステッチ かがり縫いは、布の端をかがることでほつれを防ぐ方法です。特にニット製品に適しており、ほつれやすい部分をしっかりと補強できます。 ラダーステッチは、裂け目を目立たなくするために使用される縫い方です。ステッチが目立たないように縫うことで、自然な仕上がりになります。特に見た目を重視したい場合におすすめです。柔らかい素材や、ニットなど針をいれていく位置によってかえって穴を広げてしまう可能性があるので、注意して縫い合わせましょう。


縫い糸をほどいて、再度編みなおして修復しています。ほどいた後の状態によって金額はかなり変わります。手縫いの仕方によって糸に癖がついてしまっており、仕上がりに影響することもあるため手縫いの前にご相談いただくことをお勧めします。
4. かけつぎ(かけはぎ)
当店と同じ技法であるかけつぎで修復しても、糸を入れる角度や場所、入れ方によって仕上がりがいまいちになってしまうことがあります。当店が最善を尽くしても目立ってしまう生地ありますが、多くの場合で改善することが出来ます。修復箇所をほどいて再加工となるため修復範囲が広くなり、修復跡が残るリスクが上がること、範囲が大きくなる分金額が高額となる場合が多いことを、ご了承ください。
※かけつぎとは、衣類に生じたキズや虫食いを、元の状態に近づける修復技術です。職人が手作業のみで修復していくため、技術の差が顕著に出ます。


かけつぎしてあるところをほどいて、再度四角にかけつぎ修復をしています。目立ちやすい生地のため多少の修復跡は残っていますが、大幅に改善することができました(跡が残ることは事前にお伝えいたします)


かけつぎしてあるところをほどいて、再度四角にかけつぎ修復をしています。多少の修復跡は出ていますが、大幅に改善することが出来ました。
まとめ
補修方法も手縫いから専門業者まで様々な方法があります。どの補修方法を選択するかは、仕上がり具合、金額、お気に入り度、等によって変わると思いますが、せっかく修復したのに跡が目立ってしまって再加工を繰り返すと、修復範囲がどんどん大きくなるため金額もかかってしまいます。結果的にかけつぎが一番安価で綺麗にできたね、、、なんてことも多々ありますので、まずはお気軽にご相談いただけたらと思います(見積は無料です)
※再加工することによって見た目や仕上がりがかえって目立ってしまうと判断した場合、修復不可とさせていただく場合もあります。