
はじめに
秋冬のマフラーやショール、春にはシルクのスカーフ、夏のクーラー対策など、季節を通じて活躍する小物たち。ハイブランドから一般品まで、毎年多くの商品が作られるアイテムです。柄や素材も多彩で、ファッションのアクセントとしても重要な役割を持ち、実用性とお洒落を兼ね備えた欠かせない存在です。
しかし、使用頻度が高いことに加え、結んだり巻いたりと様々な使い方をするため、汚れや毛玉、虫食い、破れなどのトラブルが発生しやすくなります。そのため、長く愛用するには適切なお手入れや修理が求められます。この記事では、素材ごとのトラブルとその対処法について詳しく解説していきます。
1. ウール・カシミヤ
ウールやカシミヤは寒い季節に欠かせない高級素材ですが、その分デリケートでお手入れが大切です。
トラブル
- 毛玉・毛羽立ち:長時間の摩擦によって繊維が絡まり毛玉が発生。
- 虫食い:天然繊維のため、衣替えの時期に虫に食われるリスクが高い。
- 縮み・型崩れ:水や熱に弱く、適切な洗濯をしないと縮むことがある。
- ほつれ・破れ・穴あき:バッグのストラップやアクセサリーに引っかかると破れたり穴ができることも。
対処法
- 毛玉対策:毛玉取りブラシや電動毛玉取り器を使い、やさしく処理する。
- 防虫対策:シーズンオフの保管時には防虫剤を使用し、密閉しすぎず風通しの良い場所に保管する。
- 洗濯時の注意:ぬるま湯に中性洗剤を使用し、優しく押し洗いした後、平干しで乾燥させる。
- 穴あき・破れ・ほつれの修理:かけつぎで自然に補修可能。早めに修理することでダメージを最小限に抑えられる。


製品から糸が取れなかったため似た糸を使って修復致しました。比較的近い糸を準備できたことから、違和感なく仕上げることが出来ました。(製品のフリンジや端から抜き取ることが出来る場合は、製品から糸を取って修復致します。)



フリンジから抜き取った糸で織り込んで修復しています。裏側には多少の跡が残りましたが、表側は比較的綺麗に仕上げることが出来ました。



手作業で少しずつ戻して正しい位置に戻していきました。若干の柄のズレは出ていますが比較的綺麗に仕上げることが出来ました。また、一部に欠損が見られましたが、柄のある生地の場合は新たに糸を足すのが難しいため、今回も糸を加えることはできませんでした。それでも、欠損箇所があまりわからない違和感の少ない仕上がりとなりました。
2. シルクのトラブル
シルクは光沢が美しく、肌触りが滑らかな素材ですが、とても繊細でデリケートです。
トラブル
- 水シミ・変色:汗や雨による水分が原因でシミが発生しやすい。
- 摩擦による光沢の損失:頻繁な使用でツヤが失われることがある。
- 静電気の発生:乾燥した季節には静電気が起きやすく、ホコリが付きやすい。
- 糸引け・破れ・裂け:糸が細いため、軽い引っかかりでも簡単に破れやすい。
対処法
- 水シミ対策:雨の日にはシルクスカーフを避け、防水スプレーを活用する。
- 摩擦対策:バッグやアクセサリーとの擦れを防ぐため、着用時の組み合わせに注意する。
- 静電気防止:加湿器を使用したり、静電気防止スプレーを活用する。
- 糸ひけ・破れ・裂けの修理:小さな傷や糸引けは早めに修理すれば目立たない仕上がりにできる。


糸引きを戻していきますが、引けたことにより糸の癖がついてしまっていることから多少修理跡が残ります。糸が出てしまったとき切ってしまうと仕上がりが大きく変わってくるので切らないでお持ちください。
3. コットン・リネン
コットンやリネンは吸湿性が高く、軽やかな着心地が魅力ですが、シワや縮みが起こりやすいです。
トラブル
- シワになりやすい:折り目がつきやすく、着用時の見た目に影響する。
- 縮みやすい:高温の洗濯や乾燥機の使用でサイズが変わってしまう。
- 色落ち・色移り:特に濃い色のものは洗濯時に色が抜けやすい。
- 摩耗による破れ:長年の使用で薄くなり、摩擦で破れることがある。
対処法
- シワ取り:スチームアイロンを使い、軽く浮かせながらシワを取る。
- 洗濯の工夫:冷水で手洗いするか、ネットに入れて洗濯機のデリケートモードで洗う。
- 色落ち防止:初めて洗う際は単独洗いし、乾燥は陰干しで行う。
- 破れた場合の補修:かけつぎ技術を活用すれば、自然な仕上がりで修復できる。


このような粗い生地であればなるべく裏側に修復跡が出ないように修復しますが、生地が薄いため修復箇所の糸が2重に重なる分仕上がりが濃く見えてしまいます。
まとめ
お気に入りの多い小物は、素材ごとのトラブルと対策を知り、適切なお手入れをすることが長く愛用する秘訣です。万が一トラブルが起こっても、早めの修理を行えば綺麗な状態に戻すことができ、費用もかかりにくいです。大切な小物のトラブルでお困りの際は、ぜひ当店にご相談くださいね!