はじめに
コートは寒い季節に私たちを暖かく包み込み、スタイルを引き立てる重要な役割です。しかし、虫食いやキズがあるコートを着用していると、残念な印象を与えてしまうことも・・・。でも大丈夫!これらのダメージは適切な予防策を講じることで容易に防ぐことが可能で、且つ綺麗に修復できることも多いアイテムです。今回は、代表的な虫食いやキズの事例と修復事例、コートをこれらのトラブルから守り、長く綺麗に着用できるための5つの簡単なステップをご紹介します。

ステップ1:虫食いのコートを見つけたら
クローゼットやタンス内の全ての衣類を取り出し、他の衣類にも被害が及んでいないか確認します。 被害に遭った衣類はもちろん、同じ場所に保管していた衣類も全て洗濯します。洗濯できない衣類は、ブラッシングやアイロンがけで対処します。アイロンの熱で虫の卵や幼虫を死滅させることができます。そして収納場所を徹底的に掃除し、可能であれば殺虫剤を使用して害虫を駆除します。その後、十分に換気を行い、湿気を取り除きましょう。

ステップ2:防虫剤を利用し、適切な保管方法で
コートは保管が大切です。クリーニング後、形を整えてから適切なハンガー(できれば幅広の木製ハンガー)を使用し、コートの形を保ちながら通気性の良いカバーで覆いましょう。これにより、湿気やダニが原因の虫食いを防ぐことができます。
更に防虫剤を利用することをお勧めします。クローゼット用の防虫剤を使用し、クローゼットを閉めておくことで、防虫効果を高めることができます。また、コートに防虫カバーをかけておくと、ホコリからも守ってくれます。密閉性が低い場所にコートを保管する際も、防虫カバーが効果的です。

ステップ3:定期的なメンテナンス
コートは定期的なメンテナンスが必要です。着用後は、柔らかい衣類用ブラシでコート全体を優しくブラッシングし、外で数時間エアリングすることで、ダニやホコリを取り除きましょう。また、年に1~2回はプロフェッショナルなクリーニングを受けることで、コートを清潔に保ち、虫食いのリスクを最小限に抑えます。

ステップ4:湿度と温度の管理
コートを保管する場所の湿度と温度は、虫食いやカビを防ぐ上で非常に重要です。通気性の良い場所に保管し、湿気がこもらないようにしましょう。理想的な保管環境は、温度20~22度、湿度50~60%です。除湿剤や除湿器、エアコンを適切に使用することで、これらの条件を維持し、コートを虫食いやダメージから守りましょう。クリーニング店などの衣類保管サービスなどもオススメです。
ステップ5:被害の早期発見と対処(補修)
虫食いやキズは兆候を早期に発見し、迅速に対処することが重要です。定期的にコートをチェックし、小さな穴や繊維の損傷、擦れキズを見つけたら、すぐに対処しましょう。小さな穴や破れであれば、自分で補修することも可能です。大きなキズや深いキズなど広範囲の被害がある場合など自分での修理が難しい場合や、自分にとって大切な衣類の場合は、小さなキズでも専門の修理店に依頼することで綺麗に仕上がることが多く、大きな被害を防ぐことができます。
まとめ
コートを虫食いから守るためには、日々の予防策やキズを見つけた直後が重要です。この記事で紹介した5つのステップを実践することで、コートを長持ちさせ、長く良い状態を保つことができます。あなたのお気に入りのコートが毎年良い状態で着られるように、ぜひこれらのアドバイスを活用してください。
◎コート虫食い事例(深い跡と浅い跡)



コートを虫食いやキズから守るためには、日々の予防策が重要です。この記事で紹介した5つのステップを実践することで、コートを長持ちさせ、良い状態を保つことができます。あなたの大切なコートが常に最高の状態であるよう、ぜひこれらのアドバイスを活用してください。
◎かけつぎ修復事例1 ウールコート ダブルクロス(一枚仕立て)生地


一枚仕立ての生地でも製品から見えない所から糸を抜き取って修復が可能です。穴が大きい場合は、ポケットなどから布を取り、その布から糸を抜き取って修復する場合もあります。
◎かけつぎ修復事例2(ウールコート 裾)


一般的なウールコートと比べると毛足が長いですが、こういった生地でも問題なく修復可能です。
◎かけつぎ修復事例3(ウールコート 袖)


写真のような貫通まではしていない虫食いがご相談としては一番多いです。表面の毛羽が無くなっているのに加えて糸も細くなっているため、製品から抜き取った糸を使って細くなっているところに糸を入れて修復しています。