
お気に入りのスーツ、気づけば「あれ?なんか白っぽい…?」「生地が薄くなっている気が…。人に見られるとちょっと恥ずかしいかも…」と感じたことはありませんか?
それは生地の摩耗が原因かもしれません。スレは破れではないため、つい見過ごしがちですが、放っておくと生地が薄くなり、最終的に穴があいてしまうことも…。
キズの周りが広範囲に色褪せていることが多く、修復に使用する布との色違いが出てしまいますが、他の修理方法と比べると同生地を使う分馴染みが良いため、ご相談はとても多いです。
本記事では、スーツによく見られるスレの場所と、実際に当店でお預かりしたスーツのスレ補修事例をご紹介します。
「まだ着られるから」と油断して手遅れになる前に!! スーツを長持ちさせたい方は必見です。
①【肘のスレ】


スレの中でも一番ご相談が多いのが肘のスレです。特にデスクワークで肘をつくことが多い方だと、このように穴が開いてしまうことがあります。穴の周りも生地が薄くなっていることから大きく修復が必要になること、またスレにより穴周りが白っぽくなっていますが、修復に使う布は本来の色味のため、このように色違いが出ます。
「クリーニングでは取れなかった」「気づいたら生地が薄くなっていた」
そんな声も多く、一見小さなスレも、放っておくとこのように穴が開いてしまうので、注意が必要です。
②【ズボンの股スレ】一番見えないけれど、よくスレる


股は擦れやすい箇所になるため、知らない間に損傷していることが多くあります。
損傷がそこまでひどくない場合は毛玉を取ることでかなり改善することもありますが、右股は穴が、左股も糸がかなり細くなっていたため、左右ともかけつぎで修復しています。
③【脇下のスレ】擦れやすく、汗で劣化もしやすい


脇の部分が汗をかきやすい箇所になるため、着用によるスレでこういったフェルト化をしてしまうことがあります。この状態がひどくなると、共布を使って四角に修復する必要がありますが今回は損傷がそこまでひどくなかったため表面のフェルト化した部分を切除し糸が切れている(細くなっている)部分に糸を入れることで修復致しました。
表からは目立たない箇所ですが、着心地に影響が出たり、破れの原因になったりするため注意が必要です。
④【お尻部分のスレ】財布やスマホが角が当たることが原因


財布や携帯の角があたることでこのように穴が開いてしまうことがあります。
穴周りも薄くなっているため、その分も含めて大きく修復しています。また、擦れによる色褪せがあることから共布との色違いが出ています。お尻の他に、ポケットの横が破れる原因にもなるため、後ろポケットには極力何も入れないことをお勧めします。
⑤【パンツのファスナー横のスレ】ベルトのバックル等が当たることが原因


ベルトのバックルがあたりやすく、擦れてこのように穴が開いたというご相談をよくいただきます。
擦れキズの場合は色褪せが出ていることが多く、周りと修復箇所との色違いが出ることが多いです。
⑥【肩のスレ】肩掛けリュックが原因のことが多いです!


おそらくショルダーバック等により擦れて穴が開いてしまったのだと思われます。穴周りも擦れによる色褪せが出ていますが、グレーの生地のため共布との色違いがそこまで目立たず仕上がっています。色褪せ具合や生地によって目立ちは大きく違ってくるため、まずはご相談ください。
⑦【リュックで擦れた背中のスレ】ビジネスリュック派に急増中!


リュックを背負うことで擦れて出来たキズ3か所です。完全な穴にはなっていないため、生きている糸を活かしていきながら共糸を入れています。仕上がりで色違いが出ることをお伝えしていましたが、慎重にバランス調整することで比較的綺麗に仕上げることが出来ました。リュックはジャケットに大きく負担がかかることが多いため、リュック使用時にはなるべくジャケットを脱ぐことをお勧め致します。
スレの補修は“早め”が肝心!気になったらまずはご相談を
スレは放っておくと「破れ」や「穴」に進行するリスクがあります。
生地が残っている段階であれば、目立たずに修復できる可能性が高まります。
・毛羽立ってきたな…
・白っぽくなってきたかも…
・部分的に生地が柔らかくなっている気がする…
そんなタイミングでぜひご相談ください。
また、スレは日常生活の癖や習慣からきていることが多いです。今回の内容を参考に、よくスレが出来る方は一度原因を探ってみてもよいと思います。
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当店では全国からのスーツ修理を受け付けております。
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「お気に入りのスーツをまだまだ着たい」
そんな想いに応えるべく、一着一着、丁寧に修復しております。
スレを見逃さず、大切な一着を長く綺麗に保つために、ぜひ当店の修復技術をご活用ください。