まだまだ寒い3月ですが、春を感じられる日も増え、春らしい素材や色の服を手に取ることが多くなってきました。季節に合わせてスーツを選び、メンテナンスすることは、ビジネスシーンにおいてもプライベートにおいても、スタイリッシュで快適に過ごすために非常に重要です。ここでは、季節別のスーツの種類とそのメンテナンス方法について解説します。
●春夏向けスーツの色と素材
春は新生活が始まる季節。暖かくなり始めるこの時期には、フレッシュで明るい色合いが好まれます。夏は暑くて汗をかきやすい季節。軽やかで通気性の良い素材と合わせて、見た目も涼しげな色合いがおすすめです。
○春色~夏色
- ライトグレー: 清潔感があり、春の暖かい気候にも熱い夏にもぴったりです。
- ベージュ: 柔らかな色合いが特徴で、カジュアルなビジネスシーンにも適しています。
- ペールブルー: 穏やかで清涼感のある色で、春の装いに新鮮さを加えます。
- パステルカラー: 全般的に春にはパステルカラーが人気で、穏やかな色合いが季節感を演出します。
- ホワイト: 夏の定番色で、清涼感と爽やかさを与えます。
- スカイブルー: 空の青を思わせる爽やかな色で、夏のスーツに最適です。
- ネイビー: 深みのある青は、フォーマルな場でも活躍し、夏でも重厚感を保ちます。
○素材
- 軽量ウール: 軽くて通気性があり、春の温かい日や初夏に最適です。
- リネン: 通気性が高く涼しげな素材で、夏にピッタリ。ただし、しわになりやすいのが難点。
- コットン: リネンに比べてしわになりにくく、カジュアルな印象を与えます。
- シアサッカー: しわになりにくい特性を持ち、暑い季節に涼しさを提供するストライプが特徴。
○メンテナンス方法
- 頻繁なクリーニングは避ける: 汗をかきやすい季節でも、頻繁にクリーニングに出すと素材が傷みます。
- 風通しを良くする: 着用後はハンガーにかけて風通しの良い場所で保管し、湿気を避けましょう。
- シミは早めに対処: 飲み物をこぼしたりした場合は、すぐに専用のクリーナーで処理します。
●オールシーズンスーツ
オールシーズンスーツは、年間を通じて快適に着用できるように設計されています。素材選びが重要で、以下のような素材が多く使われています。
- 中級ウール: ウールの中でも特に中級のグレードは、保温性と通気性のバランスが良く、多くの気候に対応します。
- ポリエステル混紡: 耐久性があり、しわになりにくく、保形性に優れているため、ビジネスシーンでの利用に適しています。
- マイクロファイバー: 軽量で吸湿発散性が高く、さまざまな気温に対応可能です。
〇メンテナンス方法:
- 定期的なクリーニング: 汚れが目立ったときだけでなく、定期的にプロのクリーニングを利用することで、スーツを清潔に保ちます。
- 適切な保管: 使用後はハンガーにかけ、風通しの良い場所で保管してください。湿気は避け、乾燥剤を使用するとより良いでしょう。
- シミには即対応: 飲食物をこぼした場合などは、早急に専用のクリーナーで対応しましょう。
●セレモニースーツ
セレモニースーツは、結婚式や入学式、卒業式など、特別な場面で着用されるスーツです。エレガントさとフォーマルな雰囲気が求められます。屋内の空調の効いた場所から屋外まで様々なシーンがあることから、春だけでなく冬素材のものも多くあります。
- 高級ウール: ソフトで上品な光沢があり、フォーマルな印象を与えます。
- ポリエステル混紡: 耐久性があり、しわになりにくく、保形性、デザイン性にも優れているため、セレモニーでの利用にも適しています。
- シルク混紡: 光沢と滑らかな肌触りで、特別な日の装いにふさわしい選択肢です。
- カシミア混紡: 暖かく豊かな質感が魅力的で、高級感あふれるセレモニーに最適です。
〇メンテナンス方法:
- 慎重なクリーニング: セレモニースーツはデリケートな素材でできていることが多いため、クリーニングは専門店に任せるのがベストです。
- 保管には細心の注意を: 着用後はブラシをかけ、風を通して湿気を取りましょう。スーツカバーを使用して保管し、形崩れやほこりを防ぎます。長期間着用しない場合は、防虫剤を使用し、直射日光の当たらない場所に保管してください。
- アイロンは低温で: 必要に応じてアイロンをかける場合は、素材に合わせて温度設定を低くし、布を間に挟むなどして直接熱が当たらないように注意しましょう。
スーツを長持ちさせ、いつでも最高の状態で着用するためには、これらのメンテナンス方法を実践することが重要です。季節ごとの素材選びとメンテナンスに注意を払い、お気に入りの色のスーツをずっと愛用してあげましょう。
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