
時代を超えて愛されるシャネルの歴史と魅力
CHANEL(シャネル)は、ガブリエル・シャネルによってフランスで生まれたラグジュアリーブランドです。1910年にパリで帽子店を開いたことから始まり、その後、ジャージー素材を使った動きやすい服や、女性の身体を締めつけないシンプルなデザインを提案しました。
当時の女性服に多かった窮屈な装いから解放し、実用性とエレガンスを両立させたシャネルの服は、その後のファッションに大きな影響を与えています。今では洋服だけでなくバッグやアクセサリーなどシャネルの魅力は多岐に渡っています。
シャネルの服は、一目でシャネルらしさを感じられる華やかさがありながら、着る人の身体に寄り添う軽さや動きやすさも備えています。時代が変わっても古さを感じにくく、世代を越えて着続けられることが、長年愛されている理由のひとつです。
なかでも、ツイードジャケット、ブレード飾り、チェーン、カメリア、ココマーク、バイカラーといった意匠は、現在まで受け継がれているシャネルを象徴するデザインです。
オールドシャネルとは?
「オールドシャネル」という言葉に、公式な年代の定義はありません。
一般的には、1980年代から1990年代を中心としたヴィンテージのシャネルや、現在では製造されていないデザインのアイテムを指して使われることが多くあります。特に、カール・ラガーフェルドがデザインを手がけた時代のシャネルは、大きなココマーク、ゴールドチェーン、華やかなボタン、鮮やかな色づかいなど、存在感のあるデザインが特徴です。
ツイードジャケットやセットアップ、ニット、ワンピース、ブラウスなど、現在見ても新鮮に感じられるものが多く、ヴィンテージ市場でも人気があります。
オールドシャネルの人気が再燃している理由
近年、オールドシャネルをはじめとするヴィンテージファッションが、再び注目されています。
背景には、1980年代・1990年代ファッションの再評価、ヴィンテージ・リユース市場の広がり、著名人やインフルエンサーの着用、新品価格の上昇などがあります。
現行品にはない大胆なデザインや、当時ならではの素材、ボタン、装飾に魅力を感じる方も少なくありません。また、オールドシャネルは、同じデザインやサイズのものを簡単に買い直せるとは限りません。家族から譲り受けたもの、若い頃に購入したもの、ヴィンテージショップでようやく見つけたものなど、品物そのものだけでなく、思い出や背景にも価値があります。
だからこそ、穴や破れができた際にも、「買い替える」のではなく「修理して着る」という選択が合う洋服なのです。
オールドシャネルが大切にしてきた3つの価値
時代を超えるデザイン
シャネルの服は、流行だけを追いかけたデザインではありません。ツイードジャケット、縁取りのブレード、金ボタン、チェーン、カメリア、ココマークなど、ブランドを象徴する要素が明確にあります。
一着の中にシャネルらしい世界観が詰まっているため、数十年前の服であっても、現在の洋服と自然に組み合わせることができます。
現在では手に入らない希少性
オールドシャネルのアイテムには、現在では作られていない柄や色、シルエット、装飾が数多くあります。特に年代の古いアイテムは、同じものを探しても簡単には見つかりません。そのため、虫食いや引っかけ、破れができても、「捨てずに直したい」というご相談が多くなります。
職人技が感じられる素材と仕立て
シャネルの洋服には、複数の糸を組み合わせたツイードや繊細な装飾など、細かな意匠が使われています。一方で、引っかけや摩擦によるダメージも起こりやすいため、早めの修理が大切です。
なぜオールドシャネルを「修理して着る」のか
オールドシャネルは、高価だから修理するというだけではありません。
現在では手に入りにくいデザインであること、素材や装飾に当時ならではの魅力があること、そして持ち主の思い入れが強いお品物が多いことから、簡単には手放せない価値があります。
オールドシャネルの代表的アイテムと修理ポイント
●ツイードジャケット・ツイードコート
ツイード製品に多いダメージと修理ポイント
- 虫食い穴、引っかけによる糸切れ、袖口や肘の擦れ、ポケット口のほつれ、ボタンやブレード周辺の破れ
- 縫い代などから採取した糸を使い、織り目に合わせて修復します。複雑なツイードは、多少の色差や質感の違いが出る場合があります。
ボタンホール横 ほつれ


こういった生地かつ作りのボタンホールはホツレやすいため着脱時に注意が必要です。
製品から糸を抜き取って織り込んで修復致しました。ファンシーツイードはキズが大きくても比較的綺麗に仕上がることが多いので、損傷が激しくてもあきらめずにご相談ください。
●セットアップ・スカート・ワンピース
ジャネットやワンピースに多いダメージと修理ポイント
- 裾付近の引っかけ、スリット周辺の裂け、ウエスト周辺のほつれ、ファスナーやポケット周辺の破れ
- 上下の色や生地の状態を確認しながら最適な修理方法を1点1点判断します。
ジャケット 虫食い穴


経年による色褪せがあること、また硬さのある生地のため馴染みが悪いことから、四角に目立ちが出ています。製品から取った同じ生地を使う分、他の修復方法と比べると目立ちは抑えられますが、生地によってはこのような跡が目立つことをご了承ください(修復前に仕上がりの予測をお伝えいたします)。
●ニット・カーディガン
ニット製品に多いダメージと修理ポイント
- 虫食い穴、糸引き、編み糸の切れ、袖口や裾の穴、襟・脇部分のほつれ等
- 風合いが変わらないように、編み目や柄を合わせて修復します。同じ糸が採取できない場合は近い糸を使用します。小さな穴のうちに修理することが重要で、比較的自然に仕上がりやすくなります。
セーター 虫食い穴


製品の内側から取った糸を使い、部分的に編んで修復しています。着用による色褪せが少しあることから若干の色違いは出ていますが、比較的綺麗に仕上がりました。
ニットスカート ウエストほつれ


こういったほつれは、最初は小さくても着用によってどんどん穴が広がってくるため注意が必要です。
ほつれが大きくても比較的綺麗に仕上がることが多いですが、その分金額が高くなってしまうため、キズを発見したら早めにご相談くださいませ。
●ブラウス・シャツ・シルク製品
シルク製品に多いダメージと修理ポイント
- 引っかけによる糸つれ、小さな穴、脇や袖付け部分の裂け、ほつれ
- 穴が広がらないよう織り目に合わせて補修します。光沢や柄、透け感の影響で修理跡が目立つ場合があります。
シルクスカーフ 裂けキズ


繊細なシルクのスカーフはちょっとした衝撃で破れてしまうことがあります。こちらは大きく裂けてしまっていたため、布をはめ込んだり糸を織り込んだりする方法ではなく、当店で準備した糸で、縫い糸が見えないようにつなぐことで修復しています。近くでみると多少柄に違和感を感じるかもしれませんが、離れて見るとほとんど気が付かれることはない程度に修復できています。破れを縫い込むように繋ぎ合わせてるため、裏側に修復跡が出ています。この方法はシルクのシャツなどでも使うことがあります。※シルクの生地は、損傷具合やキズの箇所によって最善の方法を検討しますが、品物によっては修復不可と判断する可能性があります。

※オールドシャネル修理について※
- 修理しても新品の状態に戻るわけではありません
- ツイードや柄物製品は糸や柄を再現できない場合があります
- 経年劣化した生地は、別の場所が破れる場合があります
- ボタンや金具そのものは修理対象外です
着用による色あせ、毛羽立ち、生地の薄れなどの経年変化まで元通りにはなりません。同じ糸を採取できない場合は、近い別の糸を組み合わせて修復するため、色や質感に違いが出たり、複雑な柄は再現できない場合もあります。
見た目に問題がなくても、修復箇所付近、生地全体が弱っている場合は修復ができない場合もあります。ボタン、チェーン、金具などの修理や再製作は専門外となります。
オールドシャネルを長く着るためのお手入れ
着用後は湿気を飛ばす
着用後は風通しの良い場所で湿気を飛ばしてから保管しましょう。
バッグとの摩擦に注意する
ツイードやニットは摩擦による毛羽立ちや、引きつれ、糸切れに注意が必要です。
飛び出した糸を引っ張らない(切らない)
糸を引っ張るとダメージが広がります。引っ張ったり切ったりしないようにしましょう。
ニットやウール製品は防虫対策をする
天然繊維は虫食いが起こりやすいため、防虫剤を使用して保管しましょう。
クリーニングは信頼できる店舗へ相談する
ヴィンテージ品や高級衣類の取り扱い実績がある店舗がおすすめです。
服修理に迷ったら、まずはご相談ください
オールドシャネルは、ブランドとしての価値だけでなく、当時のデザインや職人技、持ち主の思い出も含めて価値のある洋服です。大切なツイードジャケット、セットアップ、ニット、ワンピースをあきらめる前に、一度「修理して着る」という選択肢を考えてみませんか。
「捨てるには惜しいけど着るのには・・・」「この虫食い穴さえなければ・・・」「ツイードの糸がほどけちゃったけど柄を戻せないかな。」「フリマで買った古い品物でも修理できる?」
そういった段階で問題ありません。お写真をお送りいただければ、修理可否、仕上がりの目安、リスク、概算料金などをご案内します。
オールドシャネルの虫食い、穴あき、破れ、擦れ、糸切れでお困りの際は、『紬かけつぎ店』へお気軽にご相談ください。



