
近年、ヴィンテージや古着への注目が高まるなか、Champion(チャンピオン)のスウェットやパーカー、Tシャツなどが高い人気を集めています。
今回は、チャンピオンの特徴や古着を購入するときの注意点、当店での修復事例をご紹介します。
チャンピオンは1919年にアメリカで誕生したスポーツウェアブランドです。大学やスポーツチームのウェアを数多く手掛けてきたことから、古着では大学名やチーム名が入った「カレッジもの」も多く見られます。年代によって異なるタグやプリント、長年着込まれたことによる色落ちなど、一着ずつ表情が違うこともヴィンテージ チャンピオンの魅力です。
チャンピオンを代表する「リバースウィーブ」とは
チャンピオンを代表するアイテムの一つが、REVERSE WEAVE®(リバースウィーブ)です。
一般的なスウェットとは生地の向きを変えて使用することで、洗濯による縦方向の縮みを抑えています。両脇にリブ素材を使用していることや、厚みのあるしっかりとした生地も特徴です。丈夫で長く着られることから、スポーツウェアとしてだけでなく、現在ではファッションアイテムとしても定着しています。
古着では、1970年代頃の「単色タグ」、1980年代頃の「トリコタグ」、1990年代頃の「刺繍タグ」など、タグの違いから年代を調べる楽しみもあります。
ただし、古いリバースウィーブは製造から数十年が経っています。生地が厚く丈夫に見えても、袖口や首まわり、肘などが部分的に薄くなっていることがあるのでよく確認することが大切です。

なぜヴィンテージのチャンピオンは人気なのか
ヴィンテージ チャンピオンの魅力は、単に年代が古いことだけではありません。長年の着用や洗濯によって生まれた色落ち、プリントのひび割れ、柔らかく変化した生地など、新品にはない風合いがあります。
また、大学名やチーム名、企業名などが入ったプリントにはさまざまなデザインがあり、同じものを探すことが難しい一点ものも少なくありません。多少の穴や擦れがあっても、それを古着らしい味として楽しめることも魅力です。一方で、着用を続けることで穴が広がりそうな場合は、早めに修復した方がよいケースもあります。
ヴィンテージ チャンピオンを購入するときのチェックポイント
ヴィンテージは1点ものであるがゆえに状態の良し悪しが重要なポイントとなります。チャンピオンの古着を購入する際は、年代やタグだけでなく、生地の状態も確認しましょう。
首まわりの擦れやほつれ
クルーネックスウェットは、首まわりの縫い目やリブの端が擦れやすい傾向があります。小さなほつれに見えても、着用や洗濯によって広がることがあります。
袖口と裾のリブ
袖口や裾は伸び縮みを繰り返すため、生地本体よりも負担がかかりやすい部分です。リブの端が擦り切れていないか、ゴムが伸びていないか、生地が薄くなっていないかを確認します。
肘・脇・ポケットまわり
肘や脇は摩擦が起きやすく、生地が薄くなりやすい部分です。パーカーの場合は、カンガルーポケットの入口や取り付け部分にも負荷がかかります。穴がなくても、周囲が透けるほど薄くなっている場合は注意が必要です。
プリント部分の状態
プリントのひび割れや剥がれは、ヴィンテージらしい風合いとして好まれることがあります。一方で、プリント部分まで生地が破れている場合、元の柄を完全に再現することは困難です。着用目的なのか、コレクション目的なのかによって、許容できる状態を考えて選ぶことも大切です。
過去の修理跡
古いスウェットには、手縫いやミシンによる修理が行われていることがあります。修理跡も古着の味として楽しめますが、生地が硬くなっていないか、補修部分の周囲に新しい破れが生じていないかも確認しましょう。
チャンピオンのスウェットやTシャツ、パーカーは修理できるの?
小さな穴や引っ掛けキズで、周囲の生地がしっかり残っていれば、修復できる可能性があります。チャンピオンのスウェットは比較的太い糸で編まれたものも多く、製品の内側から糸を採取できれば、その糸を使って部分的に編み目を作り直します。糸を採取できない場合は、色や太さの近い糸を使用して修復します。
ただし、ヴィンテージ品は表側が大きく色落ちしていることが多いため、服の内側から取った糸で修復すると色の違いが出てしまうことがあります。また穴の周囲まで薄くなっている場合は、修復範囲が広くなり、修復跡も目立ちやすくなります。
フード部分 焦げ穴


欠損が激しかったことから、同じ編みではなく平織と呼ばれる碁盤の目のような織り方で修復しています。糸は製品の内側から抜き取っています。同じ編みではありませんが、グレー色の生地は比較的馴染みやすいことから、そこまで目立たずに仕上っています。欠損が大きくても損傷具合によって方法を検討しますので、あきらめずにご相談ください。
ポケット縁破れ


この部分は着用時に負荷がかかりやすく、ご相談の多い箇所のひとつです。
今回はキズが比較的小さかったため、元の編み目に合わせて修復しました。ただし、強度を大きく上げることは難しいため、物を入れたり手を入れたりするのを控えていただくと、綺麗な状態を長く保ちやすくなります。
また、1箇所破れが見つかった場合は、ほかの角にも傷みが出ていることがありますので、あわせてご確認ください。
ヴィンテージらしい風合いを残しながら修復する
チャンピオンの古着は、色落ちやプリントのひび割れ、多少の擦れも含めて魅力があります。
そのため、すべてを新品のように見せるのではなく、ヴィンテージらしい雰囲気を残しながら、着用に支障がある穴や破れを整えることも一つの修復方法です。
ただし、穴の周囲まで生地が薄くなっている場合や、広い範囲が劣化している場合は、修復しても別の場所から破れる可能性があります。状態によっては修復をおすすめできないこともあります。古着を購入した直後や、小さな穴を見つけた段階でご相談いただくことがおすすめです。
大切に集めたヴィンテージ チャンピオンや、長年着続けてきた一着に穴や破れができた場合も、すぐに諦めずお気軽にご相談ください。



